津波・高潮防災ステーション技術資料(平成17年12月)
「津波・高潮防災ステーション技術資料」
平成16年末に発生したスマトラ沖地震に伴う大津波は、インド洋沿岸諸国に甚大な被害をもたらしましたが、地震の多発地帯に位置する我が国においても、幾度となく津波の来襲を受けてきました。また、我が国の沿岸域では頻繁に高潮災害を被ってきましたが、昨年の多くの台風の襲来、8月末の米国におけるハリケーンによる高潮災害を契機として、沿岸域の防災対策の重要性が改めて認識されております。
我が国では、津波・高潮といった自然災害に対して様々な取り組みを進めてきているところですが、今後とも安全・安心のための取り組みは重点的に進める必要があります。これらの災害に対する従来の対策は、防潮堤等の構造物を整備して災害を防ぐハード対策に重点が置かれていましたが、ハード対策には限界があるため、ハード対策とソフト対策を一体的に推進する必要性が叫ばれております。
津波・高潮防災のためには、水門・陸閘等の確実な閉鎖が不可欠であり、それらを一元的に管理し、安全かつ効率的な閉鎖を可能とする「津波・高潮防災ステーション」の整備が展開されているところです。
このような中で、(財)沿岸技術研究センターでは「津波・高潮防災ステーション」を整備するにあたっての必要な技術情報を体系的に整理するため、平成14年度より作成を進め今回『津波・高潮防災ステーション技術資料』を発刊することとなりました。
本技術資料では「津波・高潮防災ステーション」の整備に関する基本方針の策定から、システムの構築、保守管理に至るまでを取りまとめており、有効に活用されるものと確信いたしております。