31.港湾・空港における軽量混合処理土工法技術マニュアル(改訂版)
港湾・空港における建設事業では,大量の土砂を必要としていますが,従来のように山砂を大量に使用することが次第に困難になっています。また,沿岸域の都市では,浚渫土や建設発生土等の処分が大きな問題となっており,港湾・空港を建設する際の地盤材料としての活用(リサイクル)が期待されています。このような背景から,運輸省港湾局と運輸省港湾技術研究所では,平成4年度から新たな地盤材料(スーパージオマテリアル,SGMと総称)の開発研究を実施してきました。SGMは,軽量性(もしくは重量性),安全性(無害性),リサイクル性などの付加価値を有する港湾・空港の建設に使用される新地盤材料と定義されます。
当センターでは,平成11年4月に当時の港湾技術研究所,民間23社とともに構成するSGM軽量土研究会において,共同で研究開発を進め,「港湾・空港における軽量混合処理土工法技術マニュアル」を発刊し,当マニュアルが軽量混合処理土工法の設計・施工に広く用いられて参りました。しかしながら,平成19年4月に「港湾の施設の技術上の基準・同解説」が,設計手法や構造物の形状・材質といった手段を規定する仕様規定から,構造物に求められる性能のみを規定し,設計結果に至るプロセスを規定しない性能設計に移行したことにともない,当マニュアルの内容についても見直しをはかるとともに,平成11年以降に得られた新たな知見(遠心模型振動実験による耐震性に関する知見等)や追加の施工事例及び,この技術基準に準拠した設計計算例の紹介を行うために,このたび「港湾・空港における軽量混合処理土工法技術マニュアル(改訂版)」として,新たに改訂版を発刊することといたしました。
本マニュアルをまとめるにあたって,熱心にご討議・ご検討いただきました「港湾・空港における軽量混合処理土工法技術検討委員会」の委員各位に,心より御礼申し上げます。