40.ゴム防舷材の維持管理ガイドライン(改訂版)
港湾の施設は、わが国の物流を支える海上輸送の拠点として、その機能を維持して社会に貢献
していかなければなりません。平成19年4月に改正された「港湾の施設の技術上の基準を定める
省令」には、技術基準対象施設の維持に関する事項が明記されました。これを受けて、港湾の施
設の維持管理に係る基本的な考え方をとりまとめた「港湾の施設の維持管理技術マニュアル」が、
平成19年10月に当財団法人より刊行されました。
防舷材は係留施設の附帯設備の一つとして、船舶の安全な接岸と安定的な荷役に重要な役割を
果たしています。しかし、防舷材が損傷・劣化を受けた場合には、係留施設の供用停止や供用制
限等による経済的損失が発生し、施設全体の運用や維持管理にも影響を及ぼすおそれがあります。
そのため、防舷材の損傷・劣化を早期に発見し、適切な機能評価に基づく対策を施す必要があり
ます。そこで、防舷材の維持管理に関する現状の技術的知見を整理し、平成22年7月に「ゴム防
舷材の維持管理ガイドライン」としてとりまとめ、発刊したところであります。しかし、先般発
生した東日本大震災後の調査結果より新たに判明した事象や本ガイドラインに対する改訂の要
望があり、本ガイドラインを改訂することとなりました。本ガイドラインの改訂版は、点検診断
の方法、損傷・劣化を受けた防舷材の取替え基準等の方法を、より具体的に分かり易く示してい
ます。
本ガイドラインが、上記の「港湾の施設の維持管理技術マニュアル」とともに、港湾の施設等
の維持管理に携わる関係者の方々に広く普及し、防舷材の維持管理に活用されることを期待しま
す。