17.サクション基礎構造物技術マニュアル

 近年、我が国における港湾の整備環境は、船舶の大型化に伴う大水深化、波浪・地盤条件の悪化などと厳しさを増しており、施工期間・建設コストも増大する傾向にあります。その一方で、昨今の厳しい財政事情により、従来にも増して建設コスト縮減の必要性が高まっております。
このような中、国土交通省北陸地方整備局(旧:運輸省第一港湾建設局)では、港湾整備におけるコスト縮減ならびに施工の安全性などの観点からサクション基礎の有効性に着目し、各種水理模型実験を踏まえた設計・施工検討と直江津港の作業基地防波堤における実証実験ならびに「サクション基礎構造開発検討委員会」(委員長:善 功企 九州大学大学院教授、平成11~13年度)」による審議を経て、大変貴重な成果が得られました。また、一方で、九州大学、(独)港湾空港技術研究所、(財)沿岸技術研究センターならびに民間20社による共同研究会を組織し、橋梁基礎などの港湾構造物以外のへの適用性検討のほか、各種模型実験、解析検討により新たな知見を得る事ができました。
この度、(財)沿岸技術研究センターでは、これらの成果を総合化し、サクション基礎技術の積極的な普及を図るため、沿岸技術ライブラリーNo.17として『サクション基礎構造物技術マニュアル』を発刊することとなりました。
本マニュアルでは、サクション基礎工法に関する最新の事例紹介や橋梁基礎の設計計算例、FLIPによる地震応答解析例など実務者に有用となる参考資料の充実化も図っております。本マニュアルが、今後のサクション基礎構造物の設計、施工に活用され、安全かつ経済的な港湾・海岸構造物の建設に有効に活用されるものと確信いたします。

  平成 15 年3月発刊 A4 / 269ページ  6,286円 (税込)
(本体5,715円+消費税571円)
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